厚生労働省研究班による意識調査の結果
Modest-Life管理人のひなたです。
さて、不妊治療にも関連するであろうこんな記事が掲載されていました。
出典: 生殖補助医療 第三者から卵子「望む」男性は女性の2倍 (毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160606/k00/00m/040/076000c
先に少しだけ概要を書くと、
『厚生労働省研究班が意識調査を行って、『第三者の卵子提供を受けた体外受精を利用しても良い』と答えた人は、男性の方が女性よりも2倍ほど多かった』
という記事でした。
確かに、子供を望んで不妊治療を進めたとしても子供ができないと悩む夫婦や、そもそも卵子自体や着床不全などなんらかの問題がある場合には、最後の最後で考えてしまう対応が今回のように第三者からの卵子提供、、、であることは私でもなんとなくわかります。
でも、、、と、
今回の調査結果について、なんかちょっと違和感があったんですよね。
別に調査自体に対してというわけでもないのですが。。。
今回はそのことを記事にしていこうと思います。
ただ、先にお断りをさせて頂きます。
私なんかが、第三者からの卵子提供自体に肯定も否定もできません。
ひとつ思うのは、きちんと悩み、考え抜いて出した結論について他人がとやかく言えないのではないかな、と思うだけです。
正直、私たちが行った顕微授精だって今でもまだ否定的な方たちはいるでしょうし、何が正解かなんていうのはやっぱりないものですよね。
あぁ、話が脱線しました。本題に戻します。
調査そのものの話
さて、今回の調査についてもう少し細かく見ていきます。
と言っても、厚生労働省のホームページにもその結果が掲載されているわけではないんです。
それが『まだ』掲載されていないだけなのか『今後も予定はない』のかは定かではないんですが、少なくとも今の時点ではありませんでした。
うーん。残念。
ので、知ることのできる内容だけ、少しピックアップしていきます。
この調査結果は、
2500人の一般市民を対象とした調査で、特に不妊治療の経験の有無は問わずにアンケートを取っているようです。
そして質問自体は先ほどの通り
『子どもを望んでも恵まれない場合に、第三者から卵子の提供を受ける生殖補助医療の利用を望むか、望まないか』
というもの。
たぶん全然考えたことが無い人にとっては、なかなかヘビーな質問ですね。
まぁ、結果の数字や割合を全部書くわけにもいかないので、それは出典元を参考にして頂くとして。
ただ、結果については
『不妊治療の経験の有無によらず、第三者からの卵子提供による体外受精をの利用を望む人は、男性が女性の2倍ほど多かった。』
ということがピックアップして多く報道されているのかな?という感想を持ちます。。
なるほどね。
~Modest Life~
私の感じた違和感
さて、
正直に言って、この結果についてどうだこうだというつもりはないんです。
こういう個人個人で考えなければならないことに対して、私個人の意見を勝手にぶつけたところで『何が言いたい?』ということになりかねないと思いますしね。
この結果を受けてそれぞれが考えて出した答え、やっぱりそれが正しいんだと思います。
で、
では何に私は違和感を感じたか、というと
『子どもを望んでも恵まれない場合に、第三者から精子の提供を受ける生殖補助医療の利用を望むか、望まないか』
というアンケートを同時に行わなかったのかな?
と思っちゃったんですよね。
もしやっていないなら、なんか変だな?と。
そういう意味で、最初の方に
『厚生労働省のホームページを見ても調査結果が無くて残念』
と書いたわけで。
うーん。
いえ、うーん。
今回の調査の結果って、なんとなく想定できる気がするんですよね。
乱暴な言い方をすると、女性にとっては
『他人の卵子提供を受けて、自分の子宮に戻し妊娠し出産しますか?』
という質問をされているわけですよね。
でも、これを逆にみると男性にとっては
『あなたの精子と、奥様ではない卵子を使って子供を望みますか?』
という質問なわけで。
なにかというと、つまり、男(夫)にとっては
『結局、自分の遺伝子を持つ子供を持ちたいですか?』
という質問になる気がして。
なんとなく、なんとなくですが、
『本当は妻との子供が欲しいけれど、それが叶わないなら他人の卵子を使ってでも“自分の”子供が欲しい』
という回答になってしまうことも想定されるような気がしませんか?
これが、私は少し違和感に感じたんです。
現実に目の前に選択肢が出されたら
とはいえ、たぶん本当は
『男性と女性の差は少ないんだろうな』
とも思います。
なぜなら、この調査自体が机上の空論、、、といったら失礼ですね。えーと、なんというか、やっぱり少し他人事と思って回答するようなことだと思うんです。
だから、
『やっぱり自分の子供が欲しいもんね』
という感じで、男が回答してしまうのも仕方のないことなのかな、というのも思いますし。
ただ、
もし実際に自分たち夫婦がそういう現実に直面した場合、自分(夫)だけのことではなく、妻の身を案じ、本当にどうして子供が欲しいのか、というのを夫婦で話し合い、結論を出すでしょう。
だから、現実には『男性が』『女性が』という区切りに意味は無い気がします。
そして、やっぱり同じように語るのであれば、
『第三者の精子』
という逆の面からのアンケートはしないのかなー?と。
なんか、女性だけって感じが少しイヤだったので、こんな記事を書いてみました。
皆さんはどう思われたでしょうか?
コメント
はじめまして、ひなたさん。私は無精子症から特別養子縁組を選択し、現在3歳の息子を育てています。結婚してすぐに主人の無精子症がわかり、一度は精子提供も考えましたが、血のつながりが将来へのリスクに直結するため、どうしても治療に踏み切ることができませんでした。そして、そんな血縁ならいっそなくてもいいと思い、養子の道を選び、今に至ります。(今は多少AIDへの見方も変わりましたが)
卵子提供のアンケート記事、私も読みました。たぶん、お書きになられてるように、男性側はそんなに考えて答えてないと思います。女性は自分のおなかに提供された細胞を宿すので、予備知識がなくともなんとなく抵抗感はあるでしょう・・・。精子提供の場合でアンケートをとっても、結果はあまり変わらないと思います。あまり実態を想定していなければ、単純に「半分血がつながってるからいいじゃないか」と思うでしょう。
どういう形で実施された調査かはわかりませんが、「卵子提供「精子提供」がどういった治療で、どのような事態が想定できるかを説明されたうえで実施されたなら、男性側の回答もそれほどOKと答える人は多くなかったのではと思います。
(まあ、詳しくアンケートとっていても、今の行政に都合が悪い部分は非公表にしてるってこともありますが・・・)
ドナーからの提供は、本来おおいにリスクがあります。望まれて生まれてきたはずの子が、両親のどちらかと血がつながってないことに悩んだり、ドナーに会いたくても探す手立てがなかったり・・・また、ドナーも将来子どもが会いに来るかもしれないことはほぼ想定していないので、ドナーが家庭をもっている場合には受け入れてもらえるかわかりません。決めたのは親なのに、一番苦しむ可能性があるのは何の選択もしていない子ども・・・このゆがんだ構図が起きてしまうリスクがあるんです。
これらのことは、本来望まれて産まれてきたはずの子どもたちのためにも、もっと周知されなければいけません。しかし、日本はみんな同じであることに安心するお国柄というか、一般的ではないことを隠したがる傾向があります。
卵子の老化が叫ばれるようになり、初産の年齢が上がり、男性の不妊が知られるようになり・・・この先不妊治療がさらに一般化するうえで、第三者の提供による生殖医療も知られていくでしょう。そのリスクや、そこに対してしっかり向き合っていくことの大事さも、少しずつでいいから広まっていってくれたらと願ってやみません。
ハナタロウさん、初めまして、ひなたです。m(_)m
コメントありがとうございます。嬉しいです。
。。。本当はコメントしようかしまいか迷ったんですが、少しだけ。。。
>そんな血縁ならいっそなくてもいいと思い、養子の道を選び、今に至ります。
⇒これが、、、かなり共感のできる考え方だったので、それだけお伝えさせてください。というのも、私が無精子症の手術の前に考えていた内容とたぶん似ているのではないかな、と思ったんです。
血縁ってやっぱり、、、なんというか鎖みたいにこう、単純にほどけないというか、、、。少し前に『家族という病』という本もありましたが、血縁というもの=家族=幸せということ自体が本当に絶対的なものと日本人は刷り込まれているのかなー、と。
ここ最近、目の前にいる我が子をあやしながら、本当に思います。『血縁があっても無くても、たぶんこの小さい手を育てたくなるだろうな』って。
実はこれから掲載しようとしている記事の下書きでも書いているんですが、『母性や父性は、子供が産まれた瞬間に有るのではなくて、育てる中で子供と一緒に育まれるものじゃないか』という風に、私個人の考えとして思っているんです。
えぇと、、コメント欄だから恥ずかしいことを書いてしまうwwと、最近の幼児虐待とか、望まれずに生まれた子供とか、そういうニュースを見ると吐きそうになるほど悲しくなって少し涙ぐんでいますwwなんでこんな小さい存在に対して、そんなひどいことが出来るんだろう、という、もう怒りを通り越してもうなんかもう、、、。
あれ?ごめんなさい、完全に本題からずれましたwwしかも途中から何を書いているやらorz
同じ様な考えだろう人がいることに嬉しさを感じてしまって。。。失礼をば。
えぇと、本題に戻ると、、、
>あまり実態を想定していなければ
⇒たぶん、これがそのものズバリおっしゃる通りなんでしょうね。。。最後に書かれている向き合っていくことの大事さ、に逆説的に繋がることだと思います。これが思いっきり当事者が回答するアンケートだったら、ハナタロウさんも言うように『男性もおいそれとOKとは言えない』んだと思います。
そういう意味で、この『アンケート結果だけ』を見ると、そこまでの意味があるのかは少し疑問はありますね。。。(ただ、この後の政策や法案に対する資料として活用するため、、、というものには使えると思いますが)
、、、、、ただ、やっぱりこの状態って寂しいですよねーーー。orz
いえ、きちんと受けて止めて考えている人は結局当事者でしかないから、やっぱ広く世の中一般にも知って、考えて欲しいんです!!
こんなブログをやっていて、こんなブログを見に来てくれる人たちだから、無精子症も顕微授精も偏見の目で見られません。勝手に個人的な思いのたけを書き込んでも、バカバカしいとコメントされる人はいません。これって本当に嬉しいんです。
でも、たぶん一歩外にでればいまだに「タネナシ」だの「試験管ベビー」だの、胸が締め付けられるようなひどい言葉を軽い気持ちで言う人も多いでしょう。こういう状況も、不妊治療に進むための足かせになっているのも否めないのかな、と。やっぱり私も同じ気持ちで、少しずつでも一般に広まってほしいです。
まぁ、そういう意味だと、逆に私も何か都合の悪いことから目をそらさないように、少し背筋を伸ばして生活しないとな、、、と自分への戒めにさせて頂くコメントです。
ありがとうございました。
、、、あ、最後に、今後ともこのブログを宜しくお願いしますm(_)m