不妊治療費を民間保険で支払おうとするのは難しい

不妊治療保険が発表されない

Modest Life管理人のひなたです。

このブログでは

『不妊治療の民間保険商品の販売解禁される』

となった2016年の2,3月から何度か記事にしてきました。

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そして最近、毎日新聞で久しぶりに不妊治療保険関連の記事が書いてあり、読んだのですが、、、。その記事がこちら。

 金融庁が今年4月、不妊治療にかかる費用を補償する民間の医療保険を解禁したものの、生命保険各社が販売に二の足を踏み、保険が発売されない状況が続いている。当初から商品設計の難しさが指摘されてきたが、金融庁が見切り発車で解禁に踏み切っており、保険発売を期待していた人たちは肩すかしを食った形となっている。

、、、記事のタイトルからして、なんとも寂しくなる内容が推測されます。今回は、改めて不妊治療保険の解禁について考えてみようと思います。

201601-46

不妊治療中での保険加入を想定??

記事の中で、ただ1点とても気になる興味深い内容が書かれていました。

それは

保険に加入するのは、不妊に悩んでいるなどして不妊治療を受ける意思がある人に限られるとみられ、通常の医療保険などに比べて保険金支払いの可能性が高くなる。

出典:不妊治療保険 各社及び腰 保険金高く設計困難
URL:http://mainichi.jp/articles/20160818/k00/00m/020/196000c

という文。

正直に感想を言うと、

『これ本当!???』

といったところです。

もちろんほとんどの方がご存じでしょうが、保険は

『偶然起こり得る事故や病気に備えて加入する』

ものであって、

『支払われるのが分かって加入できる』

のではありません。

そんなことが出来たら

『ガンになってしまったから、ガン保険に入って保険金を貰おう』

ということになってしまい、流石にこれではビジネスという以前に、社会の流れとしておかしなことになってしまいます。

ですから、このブログでは残念ながら毎回のように

『不妊治療中の人が民間の保険商品に加入できないのは残念だ』

と言ってきていたわけです。

保険商品の設計が難しい、ということは毎日新聞の記事に同意ですが、さすがにここの文章だけは

『あまり期待を持たせる記事をかくのはどうだろうか』

と思わざるを得ませんでした。

(結果的に、そういう不妊治療中の人が入れる保険が販売されたら、心の中で毎日新聞に謝りながらも、もうもちろん喜びの踊りを踊りますけどね)

201603-08

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~Modest Life~

これから不妊治療をする意思のある人が加入

ただ、上で読み取った文章には、もう一つの読み方があります。おそらく毎日新聞の記事を書いた方はこう書きたかったんだと思うんです。

『不妊治療保険に加入する人は、

不妊治療の病院に行っておらずまだ診断はされていないが、しばらくたってから不妊治療を開始する意思がある人が加入することが多くなるとみられ、

通常の医療保険などに比べて保険金支払いの可能性が高くなる』

つまり、

『普通の保険支払の理由(自動車事故や病気など)は、いつ、どこで、誰におきるかほぼ見当がつかないのに、不妊治療保険は、これから治療をしようとする人が、治療開始の半年~1年ほど前に加入してしまえば保険金の支払いに該当する』

ということですね。

まぁ、確かに妊娠率が低下してしまう35歳以上の方がゆっくりと時間をかけるわけにもいかないかもしれませんが、例えば『若いうちに結婚して、結婚後数年経ってもまだ20代前半』みたいな人だったら、こういうやり方もできてしまうことは否定できません

それを踏まえると、確かに民間の生命保険会社が

『採算が見込めない』

と保険商品の設計に頭を悩ませるのも無理からぬことだと思います。

201607-05

自分にとって『不妊治療保険』の意味が何なのか、をもう一度考える

毎日新聞の記事の中でも、『商品が出ない可能性も分かっていた』ようなこともにおわせています。

正直に言って、不妊治療中の人にとって、期待だけを持たせるようなことをするのは本当に残酷だと思うんですよね。

本当に、不妊治療って大変なんです。

考えて理解できるとか、分かり合えるものではなくて、本当に。

個人個人でもつらさは違うし、もう。。。

もちろん、日本として出生率の増加を上げているし、国を挙げてそれに取り組もうとしていることは分かります。

その第一弾が特定不妊治療(体外受精・顕微授精)助成金の初回増額でしょうし、TESEやMESAなど男性不妊の採精手術の助成金新設でしょう。

関連記事 不妊治療の助成金への初回増額(30万)と男性不妊新設が開始

わかります。

それはわかります。

でも、今治療中の人は、今が辛い。んです。

不妊治療保険の記事では毎回同じ内容を書いて申し訳ないのですが、

『既に不妊治療をしている人は、不妊治療保険とか助成金の増額とかそういうきっかけではなくて、切実に『自分の子供が欲しい』と願って治療に進んだ人』

だと思うんです。

その想いは、他人が勝手に推測できるような単純な想いではないでしょうし、とても純粋なものだと思います。

民間保険はこの方たちの救済にはならないでしょう。

だからこそ、この方たちにとって、何か良い支援を少しでも早く創設することが、出生率や少子化にかなり良い対策になるのではないだろうか、とそう思わずにはいられません。

また、もしこれから不妊治療をしようかと悩んでいる方がいるのであれば、よければ下の参考記事を読んで頂けると嬉しいです。

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やめどきは、どうしても辛くなってから考えないでいて欲しい。そう思います。

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